翻訳トライアルに立ち向かう

翻訳トライアルに初挑戦しました。

トライアルとはどういうものなのか様子を見るという態度ではなく、当たり前ですが仕事を取りにいくための手段としてベストモードでぶつかりました。

バイオ・メディカルの特許翻訳分野(和訳)で2社に応募したところ、1社で書類通過し、翻訳課題を受信。

結果は不合格でした(涙)。

課題提出時には「いい線いっているかも」という感覚があったのですが、落ち着いて振り返ってみると苦い失敗をしていたことが判明。

非常に悔しい思いをしたので、同じミスを繰り返さぬよう、ブログに気づきを刻んでいきたいと思います。 

敗因だと思われること

致命的なミスは、誤ったコメントを安易につけてしまったことです。

課題文の序盤において、文脈によって意味が変わる単語が使われており、トラップではないかと予測し指摘コメントをつけました。

もちろん自身の決定に根拠があったのでそうしたのですが、実際はその根拠がズレていたのです。

間違った根拠を導き出してしまった原因は、これまでの学習で培った知識を過信し、深いリサーチをしなかったこと。

トライアルの制限時間がかなりタイトであったので、なるべく早く先に進みたいという心理が働きました。

もう一歩突っ込んでリサーチしていれば、コメントをつける必要が無いことを知れたのに。

また、時間が無いにしても、校正時にもう一度見直す機会があったので、原文の誤りを指摘するような重要コメントに対して慎重になれなかったことは、翻訳者として失格です。

その他の全体的な翻訳の出来としては、訳語選択が甘かったことと、既存の訳を読みやすい日本語に仕立て直せなかったことが挙げられます。

受験して良かったこと

トライアルを振り返っていると、自身の実力不足に対して悔しい思いがこみあげてきますが、それと同時に、受験したことによる収穫もたくさんあったことに気づきます。

その内容を3点にまとめ以下に示します。

  1. 書類通過の成功体験を獲得できたこと
  2. トライアルに対する心理的ハードルが下がったこと
  3. 現場で求められるスキルについて分析するための材料が得られたこと

①書類通過の成功体験を獲得できたこと

トライアル応募の際には、経験者募集の条件下で、書類選考を通過できるかどうかが一番の懸念事項でした。

これに対してはブログを書いたり、CVとは別の資料を用意したりと、対策を工夫したことが成功に結び付いたと思います。

この経験を生かして引き続き書類通過率を上げる努力をしていきます。

②トライアルに対する心理的ハードルが下がったこと

積み上げてきた学習内容がトライアルでは直に問われることもあり、トライアルに対して必要以上にぶっそうなイメージを作ってしまいがちです。しかし実際に受験してみなければ実態は分かりません。

今回のトライアルの課題内容はバラエティに富んだものでしたが、ほぼほぼ学習段階で一度は触れていたものでした。

ここ3ヶ月間バイオ・メディカルの勉強を続けてきたのですが、この下地が無ければトライアルにまったく歯が立たなかったことでしょう。したがって、受験タイミングとしては適切だったと分析しています。

これまでの学習内容と現場のニーズは乖離していないので、さらに深みをつけて学習し、今後も引き続きトライアルに臨んでいきます。

③ 現場で求められるスキルについて分析するための材料が得られたこと

即戦力として通用するスキルがどれくらいのものであるか、トライアル課題にはそのヒントが多く詰められていると推察できます。

この貴重な情報源を味わい尽くして、自分に何が足りないのかを見つめ、ギャップを埋めていきたいと思います。

これからの行動

5月中にトライアルを経験するという自身の目標はひとまず達成できました。この経験を日々の行動にフィードバックして、次の目標につなげることが肝要です。

トライアル合格に向けて行うべき学習事項は明確になっています。

■主なメニュー

  • 翻訳ワード数を粛々と増やして翻訳筋をマッチョにする
  • 遺伝子工学について腰を据えて勉強し、より深く理解する
  • 日本語の特許明細書を、細かい部分の表現に留意しながら数多く読む

実のところ、最近は日々の学習に緊張感が無くなりかけていたので、トライアル受験を機にスイッチを入れ直すことができたのは好都合でした。

今回のトライアルでは苦い経験をしましたが、この悔しさをばねに一つ一つやるべきことを積み重ねていき、必ずトライアルを突破したいと思います。

市場から求められるスキルを獲得するため、目の前のことに正面切って対応していくのみです!