モードチェンジ

 9月に入り秋を感じさせるような空気が漂ってきましたね。

 季節の変わり目ということで、皆様も体調の変化には何卒お気を付けください。

 私は変化に敏感なタイプで、こういった時期には例外なく心がざわざわしてしまいます(感覚器が反応して音楽を聴くにはもってこいなのですが)。

 加えて、季節だけでなく翻訳学習においても、練習段階から仕事獲得の段階に向けたマインドの変化、また、翻訳力を上位層レベルにまでせり上げるための変化、に対応することが求められていると実感しています。

 季節の変化に対しては、年の功もあって落ち着きを保つ方法がわかるようになり、さらに、その変化のエネルギーを活かすことについて考えるようになりました。

 この方法論を翻訳学習でも展開していこうと現在進行形で試行錯誤しているのですが、今回はこの辺りの話について、記事としてまとめていきたいと思います。

健康管理のモードチェンジ

ランニング

 心がざわつくときには、走るようにしています。

 コロナ過に突入して以来、この習慣から遠ざかってしまっていたのですが、季節の変わり目への対応と、10月からのトライアル応募に向けての準備を兼ねて、隔日で30分程度走るようにしました。

 ランニングの最大の利点は、文字通り地に足がつくこと。

 気持ちが浮かれすぎていたり、余計なことを考えてしまっているときは、失敗がつきものです(20代は沢山失敗したな~…)。

 走って足を物理的に地につけることで、精神面に落ち着きが生まれ、安定して物事を進められるようになると感じています。

 翻訳作業では、集中力を持続させることが肝要。ランニングをして持久力をつけると共に、血行を良くして頭の回転速度を上げ、処理速度を向上させていきたいと思います。

食生活

 もう一点、健康管理で気を付けていることは食事です。

 1年半前に、思うところがあって大々的な人間ドックを受診しました。通常の検査項目に加えて、「有機酸検査」や「遅延フードアレルギー検査」、「栄養解析」、「がんリスク・スクリーニング」といったオプションをつけたものです。

 「有機酸検査」、「遅延フードアレルギー検査」については、まだ聞きなれない方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明させていただきます。

 「有機酸検査」とは、自身の代謝状態を可視化させるバイオロジカル検査で、尿中に排せつされた75項目の有機化合物の量やバランスを測定し、

・体内で必要なエネルギーが作られているか
・腸内環境は正常か
・栄養素をうまく取り込めているか

といった、検査時点での被験対象の代謝コンディションをチェックすることができます。

 「遅延フードアレルギー検査」とは、食事後24時間が経過してから表れる遅延型アレルギー反応について調べる検査です。

 一般的に認知されているフードアレルギーは、蕎麦など特定の食物を摂取するとすぐにアレルギー反応が表れる、即時反応型のものだと思います。

 一方で遅延反応型アレルギーは、特定の食物を摂取してから時間をおいて表れるアレルギー反応であり、食物と症状の因果関係を把握することが困難。

 本当は何を食べてはいけないのか、を明確にするための検査が「遅延フードアレルギー検査」です。

 これらの検査により、私の体内ではエネルギー生成回路がうまく作動していないこと、また乳製品や卵、小麦を控えないといけないことが判明しました(驚!ピザが大好きだった私は、本当にショック……)。

 このような結果を受けて、食事制限のほか、医師から勧められたサプリメントを飲むなどして、体内環境を整えています。

 おかげ様で、原因不明の不調がほとんど無くなりましたし、集中力も上がりました。以前の状態では、日々PCに向かって10時間以上作業をするということはできなかったかもしれません。

 しかし、最近はこの食生活にゆるみが出てきていたので、これからの変化に備え、再度引き締めていきたいと思います。

学習マインドのモードチェンジ

 翻訳力のレベルに関して、現在は次の層のレベルまで上昇するための坂を上っている最中です。

 ある程度の質と処理速度で翻訳ができるようになったとは思いますが、依然として上位のレベルとは差があります。

 この差を縮めるためには、何かしら変化を起こさなければならないと考え、下記のようなことに取り組んでいます。

質の改善

 ただいま、実ジョブ・シミュレーションとして取り組んだ特許明細書の翻訳内容を、既存の公開訳と比較して、自分の訳の至らぬところを浮き彫りにし、対策を練る作業をしています。

  翻訳の練習素材として 、公開訳のレベルが高いものを選んでいるのですが、文脈依存の多義語に対する訳し分けの精度の高さ、流暢性、指示代名詞の処理、明細書全体を俯瞰した訳出など、勉強になることがとても多いです。

 同時に、そのレベルの訳を生み出せるようになるには、傾斜が急な坂を登るようなトレーニングが必要だと感じました。

 これまでの坂が30°くらいのものであったならば、これからの坂は60°くらいになるものと思えます。

 駆け上がることが難しい坂となりますので、1歩1歩、膝に手を付きながら登っていくことをイメージし、学習スタイルをモードチェンジしなければなりません。

 その1歩として、文脈依存の多義語に対する訳し分けトレーニングを始めました。

 これは、レバレッジ特許翻訳講座の管理人様に指導していただいた内容であり、抽象度の高い単語の概念が包括する範囲を捉え、目的の変化に応じてその単語の概念が違ってくることを理解するということです。

 例えば、「treatment」という単語は、医療の文脈では「治す」という広く深い概念を有しており、この中には、「therapy(療法)」の概念が内包されていますが、治験の場面では「administration(投与)」の意味でも使われます。

 こういった文脈依存性の多義語が、どのような場面でどのように使われているか判別するため、特許明細書を読んで調べ、VISUAL THESAURUSで関連語との関係を把握し、イートモを利用して訳例を研究するようにしています。

VISUAL THESAURUSの画面の一部。「treatment」で検索し、「intervention(治療介入)」の枝を展開して関連語を可視化させた。赤い〇にマウスを近づけると概念の概略が表示されるので、効率よく理解を進めることができる。

 「treatment」の訳し方については、こちらのコラムが非常に参考になります(バイオ分野の学習をされている方は、コラム全体に目を通されることをお勧めします。はっとすることがたくさん書かれています)。

 ただ、自分自身で、試行錯誤して調べていくことで、理解がより進むと思いますので、こういった勉強は時間をかけて積み上げ方式で取り組んでいきます。

処理速度の改善

 一方で、プロとして仕事をさばくフェーズに移行するには、翻訳速度を向上していかなければなりません。

 この点に関し、講座の管理人様からブログを介してコンサルティングしていただいた際には、1日の処理量をあらかじめ設定しておき、それを達成させるために負荷をかけ、流れるようにして翻訳作業をするモードに切り替える必要があることを教わりました。

 この教えが今、自分にとても響いており、次の実ジョブ・シミュレーションでは、ニューモードを試して能力を開発していきたいと考えています。

 そして、そのモードチェンジに対応するために、ついに、MED-Transer V18プロフェッショナル版を購入しました。

 何か重要な変化に対応すべく時にこそ投資をした方がいいと考えており、特別定額給付金と、コロナ過の株の変動時に逆張りして、 バイオの知識を持って得たキャピタルゲイン(少額です)を使い、MED-Transerの購入に踏み切りました。

 PAT-TranserでなくMED-Transerにした理由はいくつかあるのですが、それについてはまた改めて言及したいと思います。

 MED-Transerを購入される場合は、こちらのストアからお求めになるとよいかと思います。クレジットカードは使えませんが、Amazonよりも安いです(2020年9月2日時点で最安値)。もちろん正規品ですし、インストール後、問題なく動作しています。

 MED-Transerは高額ですが、ステッドマン医学事典が同梱されている上、医療分野以外の用語集も充実していますので、長期的に見て割安だと思います。

 なにはともあれ、ツールで処理速度を5%上げられると考えたら、“買い”です。積極的に翻訳作業に取り入れていきたいと思います。

最後に

 以上のように、様々なモードチェンジが今の自分には必要でありまして、それに対しては、正面から1つ1つ向き合っていきたいと考えています。

 翻訳の勉強を開始してから9月いっぱいで1年が経ちますが、この間に投下したエネルギーの量から自分が期待する成長推移と、実際の成長推移とのギャップが深まっており、それが季節の変わり目と相まって心をざわつかせています。

 このような時にこそ地に足をつけ、目の前のことに取り組むことが大事。

 そう自分に言い聞かせて、収穫の時期(ブレイクスルー)を迎えたいと思います。