Immunology study:インフラマソーム

本日の学習内容:インフラマソーム の働きについて

学習内容のアウトプット

インフラマソームとは複数のタンパク質が集まってできた集合体で、炎症反応を誘導する役割を果たしていると言われています。

<インフラマソームを構成する物質>

  • NLRP3と呼ばれるNOD様受容体
  • アダプタータンパク質
  • プロカスパーゼ1

それぞれの物質はもともと個別に存在しているのですが、“ある刺激”を受けるとそれぞれが集まって重合しインフラマソームを形成します。

“ある刺激”とは、例えば細胞内のイオン濃度の変化です。

細胞外からATPというエネルギーを持った分子を取り込む代わりに、細胞内からカリウムイオンを放出することで細胞内のイオン濃度が変化します。

この変化がトリガーとなって、先の3種類の物質が重合を開始するようです。

インフラマソームの具体的な仕事は、構成物質の一つであるプロカスパーゼ1を活性し、活性型カスパーゼ1を放出すること。

なぜ活性型カスパーゼ1を作る必要があるかというと、サイトカインを沢山作る工場のラインを完成させるためです。

サイトカインという物質は危険信号として、他の免疫細胞を細菌感染した場所に呼び寄せる働きがあります。細菌と戦うために応援を頼むわけですね。

サイトカイン工場のラインは、サイトカインを受け取る細胞膜上の受容体から始まります。

この受容体はIL-1βという種類のサイトカインを受け取ると、次のセクションへ信号を送ります。

信号を受け取ったセクションの仕事は、プロIL-1βというIL-1βの原料となる物質を産生することです。

プロIL-1βは大きく2つのパーツから成り、その内の一つであるIL-1βをもう片方のパーツから切り離すことで、IL-1βを製品化してサイトカイン工場から発送することができます。

しかしこの工場は、IL-1βを切り離す工程を担う作業員を有していません。

そこで力を貸してくれるのが仮設工場のインフラマソームです。

インフラマソーム工場では、自身の構成物質であるプロカスパーゼ1を活性型カスパーゼ1に変化させ、先の工場のラインに派遣します。

派遣された活性型カスパーゼ1はプロIL-1βを分解するスキルを持っているのです。

こうしてライン生産は円滑に行われ、製品化したIL-1βの一部をもう一度原料として調達し、再度生産していく循環が生まれます。

この工場にはサイトカインを生産しすぎないようにするシステムも組み込まれています。サイトカインを大量に放出してしまうと、炎症反応が過剰に起きて周りの環境を破壊してしまう恐れがあるからです。

CO2排出規制のように、現実の工場とどこか似ているところがありますよね。

この生産制御システムが故障したり、インフラマソーム工場の活動が過剰になると、サイトカインの過剰放出により慢性炎症を引き起こしてしまうようです。

では次に、インフラマソーム工場の過剰活動を抑制するためにどうすれば良いか、特許の発明から勉強していきたいと思います。

特許におけるインフラマソーム

公開番号:特開2018-80186(P2018-80186A)
出願人:クラシエホールディングス株式会社
発明の名称:インフラマソーム活性化抑制剤

この特許発明では、ゴボウに含まれるアルクチゲニンという成分が、インフラマソーム活性化抑制成分として紹介されています。

アルクチゲニンがインフラソームの形成要因となる外的・内的因子の影響力を下げ、結果的に活性型カスパーゼ1の量、及びIL-1βの放出力を減少させます。

このアルクチゲニンを成分として含んだ医薬品や食品が、感染症、自己炎症性疾患、アレルギー疾患、加齢黄斑変性症、心血管病、虚血傷害、痛風、認知症などの様々な疾患や状態の治療・改善・予防に利用できることを本明細書の内容が示唆しています。

<参考文献>
Peter Parham 著エッセンシャル免疫学 第3版』メディカル・サイエンス・インターナショナル