自然から学ぶべきこと(学習記12/17-23)

先週は下記の単元について学習を進めました。

化学「蒸気圧」「気体の溶解度」「蒸気圧降下と沸点上昇」「凝固点降下」「浸透圧」「コロイド」
物理「熱力学」

前回の記事作成時に学習進捗を振り返り、受講開始時に作成した予定からの遅れが生じていたため、学習のスピードアップを意識するようになりました。

状況分析によって集中力が上がるという効果がありましたが、同時に“ノルマをこなさなければ”という、学習の本質からズレたマインドも生じてしまい、

「あ、これはちょっとまずいな」

ということで、学習計画を調節することにしました。

何のために化学と物理を勉強しているのか、という視点を忘れてしまうと、

ただノートを作る。終わった項目にチェックをつける。やった気になる。

という機械的作業になってしまい、仕事に応用する力が身につかず、徒労に終わる結果を招いてしまうでしょう。

エネルギーの使い方を間違えると痛い目に合うことは、趣味のサーフィンで危険な目に遭った経験から得た教訓です。

本記事では、そういった危険を感じた場合、どのように修正していけば良いのか考察していきたいと思います 。

サーフィンから学ぶ

サーフィンは自然と一体化できるダイナミックで爽快なスポーツです。波と同化した時は何とも言えない恍惚感が生まれます。

(注:筆者は初心者に毛が生えたくらいで、やっとこさ沖に出て小さい波に乗って砂浜に帰ってくるといったレベル。サーフィンが趣味と言ってはいけないかもしれない…。しかし、ここに至るまでも結構なステップがある)

また、命に関わる危険も他のスポーツより多めです。

私がサーフボードの上にうつ伏せになり、パドリング(海水を掻き分けて進行方向へ進もうとする動作)しながら初めて沖に出ようとした時、テトラポッドの影響による、強い波の流れ(カレント)に飲み込まれてしまいました。

足が海底につかない状況で、このまま遠くまで流されてはまずいという恐怖から、必死で腕を回し、バシャバシャバシャと海水を掻き分け、浜に戻ろうとしますが、強い流れの中ではその苦労も水の泡です。

体力は減り、焦燥感が増していきます。

“こういう時ほど冷静にならなければならない”

そう思えたのが救いでした。

“どうやら潮はテトラポッドに向かっている。流れに身を委ねればテトラポッドに漂着できるだろう。それさえできれば浜に戻ることは簡単だ。パドリングをして体力を消耗させることはよそう。もし波の力でテトラポッドに打ち付けられることがあったとしても、サーフボードを盾にすれば良い。サーフボードなんてまた買えば良いじゃないか。背に腹は変えられない”

と頭の中でとっさにフラッシュしたのも、以前読んだ本の文章が自分の奥深くに染み込んでいたからでした。

 たとえば、滝壺の中に身を投げ落とされたとき、激流にのみ込まれないようにもがき、水面に浮き上がろうとしても、途中で力尽きてしまい、結局溺れ死んでしまう。
 ところが、流れに逆らうのではなく、激流に身を任せて滝壺の底まで流されるほうが、逆に助かる可能性が高い。滝壺の底は、それほど流れが激しくなく、全体の水の流れもわかる。それがわかれば、水平に移動して、滝壺の中心部を抜け出してから水面に上がればいいのである。
 こんな危険な状況であっても、体が感じるがままに冷静に行動すれば、生き抜くための道筋が鮮明に見えてくるのだ。
 どんな逆境であろうとも、つねに冷静でいることは非常に重要だ。冷静になれば、問題の本質と解決のための道筋が、カンとして浮かび上がってくる。

桜井章一 『カンの正体 「直勘力」で逆境に強くなる』

著者は麻雀界で“雀鬼”と呼ばれる存在で、勝負師としての知見を読者に与えてくれます。私は麻雀をするわけではないのですが、著者の考え方が興味深く、参考にしていました。このおかげでサーフィンでの危機を回避できたのだと思います。

その後、無事テトラポッドに漂着し(テトラポッドの直近では流れが弱くなり、海面に沈む岩を伝ってよじ登れた)、浜に戻れたわけですが、安堵と共に全身が脱力した感覚は今でも体に残っています。

パドリングの様子

水の状態変化から学ぶ

ノルマの達成を優先して勉強をすることは、強い海流の中でパドリングをしていた状況と少し重なるようです。目的を意識した勉強をしなければ、その時間と作業は水の泡となってしまうでしょう。

冷静に現在の学習状況を俯瞰してみると、2ヶ月間、化学と物理の勉強を行ってきて、確かに効果は現れていると感じます。少なくとも、理系バックグラウンドが無いから特許翻訳に向かない、というマインドブロックは完全に外れました。

学習内容もゆっくりではありますが、確実に中身が頭に染み込んでいるという実感があるので、学習方法に問題は無く、むしろ初期に建てた計画に無理が出てきたのではないかと思います。

当初は、翻訳トライアルを講座受講開始から半年以内で受けようという目標を立て、そのために3ヶ月間で化学と物理の基礎習得を終わらせ、トライアル及び仕事に向けた勉強に移行しようと考えていました。つまり、学習の種類の境界を明確に分けていたのです。

しかし、今はこう考えています。

“3ヶ月にこだわる必要があるのだろうか。スケジュールに慌てながら身の無い勉強をするよりも、期間を延長して確実に地肉となる勉強をしたほうが良い。獲得すべき知識の必要量はコントロールできないのだから。ただ、トライアル受験のタイミングを延期すると、どんどんプロとしての業界参入が遅れてしまう。だとするならば、化学・物理の勉強と仕事に向けた準備を同時進行で進めればいいだけじゃないか。きっちりと相の境界を分ける必要なんてない。遷移状態があることが自然なんだ”

あまりにも簡単な発想ですが、案外目の前のことに集中していると柔軟性を失ってしまうことってありますよね。

化学で水の状態変化について学習したのも、状況を俯瞰する良いきっかけでした。

水の相変化には、個体と液体が混じった段階、液体と気体が混じった段階が存在します。これも当たり前のように思うのですが、改めてその変化に注目すると、色々と発見があるものです。

そうだった、水は100℃にならずとも蒸発しているんだよな、といった具合に。

水の状態変化

つまり、連続的な変化が起きていることが現実であり、当初の私の計画は自然ではないと判断するに至ったのです。

筆者の状態変化

後記

サーフィンは、人生において大切なことをたくさん教えてくれるスポーツです。波と対峙すると、人間なんてちっぽけな存在だよな、と痛感します。

また、波は多面的です。彼女にしたらえらく苦労するでしょう。ご機嫌な時もあるし、怒り狂っている時もあります。せっかく海に来てデートに誘っても、姿を現さない場合だってある、気まぐれな存在です。

そういったコントロールができない物事に対して、どう対応していくか。

状況を俯瞰しながら、冷静に臨機応変な対応をしていくスキルを磨いていきたいものです。