No Excuses

 通算3件目の翻訳実ジョブ・シミュレーションを終え、見直しが完了したので気づきを記録しておきます。

 今回取り組んだ特許明細書の内容は、約7,000ワードの「抗体」に関するもの。ワード数は少ないのですが、抗体の総論的内容であったため、とっても難しかった……。

 抗体についてはこれまで力を入れて学習してきたのですが、まだまだ理解しなければならないことが山ほどあることに気づかされました。

 果てしない。でも、もっと知りたい!

 シミュレーションの内容を振り返って、次にフィードバックしていきたいと思います。

振り返り

処理速度について

 前回の練習による反省から、作業スキームを見直して速度向上を図ったのですが、際立った変化は見られず。理由としては、

  • 翻訳文全体のワード数が少ないために再利用できるセンテンスが少なかった
  • 内容が総論的であり、調査すべき対象がバラエティ豊かであった
  • 例示される固有名詞の羅列(病名、ウイルス、酵素など)が多かった

 というように、レバレッジが利きにくい翻訳素材であったことが挙げられます。

 ただ、今回調査した幅広い内容や登録した用語は、次の翻訳作業において再活用できるため、練習素材としてはうってつけでした。

スキームについて

 今回は特に翻訳前の調査方法を改善して臨みました。具体的には、原文をざっと読んだ後EKWordsでキーワードを拾い、関連知識について広めに(発明内容とは若干ずれている領域まで)調査。発明の肝を翻訳中ではなく、翻訳前に把握しておくことを目標にしました。

 調査した内容をワードに保存しておくと共に、発明の肝と思われる内容を、A4一枚にインフォグラフィックでまとめてから翻訳を開始したのですが、これが効果的。

 必要な修正は翻訳中に行いますが、あらかじめ地図のように発明の全体像を把握しておけるので、翻訳内容が佳境に入る際には、より理解が正確に、実施例など具体性が増す部分においては、その目的を見失わずに済みます。

 また、翻訳中に調査した詳細な内容は、ワードに検索性良くまとめておきました。これは、一見時間がかかる作業のようですが、校正時に内容をトレースしやすくするためのものであり、結果として納品までの作業全体の効率化につながりました。

 一方で、1日に使える作業時間の分配についても工夫することにしました。

 疲れによる訳文の質の低下を防ぐために、翻訳時間は8時間に抑え、残った時間で翌日の翻訳内容の下調べをしておく。脳をフルに使える時間帯を大事な翻訳作業に回すことで、作業の効率性が上がるように意識しました。

訳し終えて一番印象に残ったこと

 今回の実ジョブ・シミュレーションを終えて強く感じたことは、「仕事には泥臭さも必要だ」ということです。

 プロであるならば仕事を任された以上、なんとしてでも一定の基準値を超えた質のサービスを期限内に提供しなければなりません。

 今回、翻訳作業の終盤で、「統計」を理解していなければ正確に訳すことが難しいセンテンスに遭遇しました。統計についてはほとんどノーマークであったため、原文を読んでもチンプンカンプン。

 納期(仮)が迫る中、なんとかうっすらと原文が意図していることを把握できるまで、統計用語を確認し、暫定訳を抽出。最終的には、校正段階で時間が確保できたので、他の特許明細書などを参考にしながら再度訳文を調整して、及第点までもっていくようにしました。

 公開訳を参考にしてみると、担当した翻訳者の方もこの部分で苦労したのだろうなということがわかる内容。

 このことから、プロの土俵では、最後まで踏ん張りを利かせられるかが勝負であり、それがまた差別化につながることを理解した次第です。

 苦手な分野であったから訳せませんでした、という言い訳は通用しませんよね。No Excuses。

訳文の見直しと次の課題に向けて

 校正終了後、今回は特に力を入れて訳文の見直しをしました。というのも、類似特許の公開訳が非常に参考になるものであり、語彙の運用方法を事細かに学びたかったからです。

 その公開訳においては、同分野で研究をしてこられた方が翻訳をしているのでは? と想像できるような洗練された訳語選択がなされており、机上では得られない経験による差を感じ取りました。

 もっとこの方の訳文を読んでみたい! という欲求から、書誌情報に記載されている代理人をヒントにして同分野の公開訳を検索してみたところ、同代理人が関わった特許明細書の公開訳は、総じてレベルが高いことが判明。

 ついては、次の翻訳素材を選択する際に、検索キーワードに先の代理人名を追加して、フィルタリングしてみたいと思います。学習効率が上がることを期待して。

 次回はワード数20,000以上に挑戦し、短いワード数での作業と比べて処理速度がどのように変わっていくのかを観察してみようと思います。

 なお、実ジョブ・シミュレーション中でもブログを更新していけるように、1週間内の時間の使い方についても工夫していかなければなりませんね(汗)。

 レバレッジ講座受講生の皆様は、それぞれの生活がある中で、実ジョブ、勉強、ブログ更新など器用にこなされていて本当にすごい。いつも刺激をいただいています。私も自分を改革していかねば!